【構造力学Ⅰ】反力の計算方法

いよいよ構造力学の具体的な計算方法に入ります。
今回は反力の計算方法について解説していきます。
初めて構造力学に触れた方は理解するまではなかなか時間がかかると思いますが分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください!

反力を解く4ステップ

反力を導き出すまでには大きく4つのステップがあります。
この4つのステップとは

反力を求める4つのステップ

①反力を仮定する
②力を整理する
③力のつり合い式(水平・鉛直・モーメント)を立式する
④つり合い式の解を求める

この4つのステップの流れをつかめばどのような問題が出ても反力を求めることができます。
ぜひマスターしていきましょう!

では各ステップの具体的な考え方、計算方法について解説していきます。

①反力を仮定する

まずは反力を仮定していきます。
「反力を仮定する」と言われてもどこに、どのような力を仮定すればいいのか分かりませんよね。

どこに反力を仮定するかというと『支点』に反力を仮定するのです
支点とはどのようなものか覚えていますか?
支点は固定端、回転端、移動端の3つでした。

この支点部分に反力を仮定するのです。
各支点ごとの反力仮定の仕方は以下の通りです。

水平方向の矢印には『H』(Horizontal reaction)の記号、
鉛直方向の矢印には『V』(Vertical reaction)の記号、
回転方向の矢印には『M』の記号を書きます。

反力の仮定する場所と向きは決まっているので覚えてください。
難しいものではないですし、計算問題をこなしていくと自然に覚えられると思います。

まず大前提として力の正負の向きは以下の通りです。

水平方向は『上向きが正』『下向きが負』
鉛直方向は『右向きが正』『左向きが負』
回転方向は『時計回りが正』『反時計回りが負』
となります。

反力の仮定は力の向きが正となるように仮定します。

では本題の支点によって反力の仮定の仕方について解説します。

ただし支点の種類によってどこに反力を仮定するか違ってきます。

それでは例題を通じて見てみましょう。

ではこの例題の反力を仮定してみましょう。
点Aの支点はピン支点、B点はピンローラー支点です。
ピン支点は水平方向と鉛直方向に、ピンローラー支点には鉛直方向に反力を仮定します。
つまりこのようになります。

これで反力の仮定は完了です。
支点の種類によって反力の仮定方法が変わってくるので注意しましょう。

②力を整理する

次に力の整理をしていきます。
今回の問題では荷重20kNが斜めに作用していますね。

この斜め方向に作用している荷重を水平成分と鉛直成分に整理する必要があります。
今回は三平方の定理を利用して力を整理していきましょう。

よって

③力のつり合い式(水平、鉛直、モーメント)を立式する

さぁ、ここまでくれば残るは計算問題です。
ここでは力のつり合い式を立式していきます。
ここでは未知数(解が求まっていない文字)がH_A、V_A、V_Bの3つありますね。
よって3つの式を立式しなければなりません。
未知数の数と同じだけの式が必要となります。
基本的に水平方向の式、鉛直方向の式、回転方向の式を立式していきます。

つり合い式を立式するポイントは力の向きが正であれば+(プラス)、負であればー(マイナス)をつけます。
そして各方向で荷重と反力を足し合わせると0となる式をつくります。

百聞は一見に如かず、具体的に見ていきましょう!

水平方向のつり合い式
H_A12kN = 0

鉛直方向のつり合い式
V_A 16kN + V_B = 0

回転方向のつり合い式(点Aで考える)
16kN × 2m V_B × 5m = 0

ここまでできればできたも同然です!

④つり合い式の解を求める

残るは③で立式した力のつり合い式を解いていくだけです。
計算ミスや単位ミスに気を付けましょう。

水平方向のつり合い式
H_A12kN = 0
H_A = 12kN

回転方向のつり合い式(点Aで考える)
16kN × 2m V_B × 5m = 0
V_B = 6.4kN

鉛直方向のつり合い式
V_A 16kN + V_B = 0
V_A – 16kN + 6.4kN = 0
V_A = 9.6kN

さぁこれで反力を求めることができました。

では最後に反力を図に表してみましょう。

まとめ

反力を求める4つのステップいかかでしたか?
何度も問題を解いていくと自然と覚えられるはずです!!
ぜひ頑張ってください!!

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