【構造力学Ⅱ】座屈の計算① ~座屈荷重を求める~

今回は座屈荷重を求める計算問題に取り組んでいきましょう。
座屈荷重を求めるためにはまず座屈長さを求める必要がありましたね。
そしてその座屈長さを求めるためにはやはり、
部材の変形後の形を正しくイメージする必要があります。
今回の問題でも正しく変形した様子をイメージしながら取り組んでください!

座屈荷重計算問題

では今回解いていく問題を見てみましょう。


問題:①、②の構造物の座屈荷重P_A、P_Bを求めましょう。

ここで座屈荷重を求めていく流れをおさらいしましょう。

座屈荷重を求めるステップ

①問題の支点を確認する。
②構造物の変形後をかく。
座屈長さをまず求める。
座屈荷重公式に座屈長さを代入する。

ステップ通りに確認していきましょう!!

①問題の支点を確認する

まずは①の構造物の支点に着目してみましょう。
①の構造物の支点は下から、ピン支点、ピン支点、ピン支点ですべての支点がピン支点です。

次に②の構造物の支点に着目していきます。
②の構造物の支点は下から固定端、ピン支点、固定端となっています。

ピン支点は回転に対する拘束はありません
対して固定端は回転に対する拘束があり90度で固定します

②構造物の変形後をかく

前回のサイトでは基本的な部材の座屈長さについて学びました。
もう一度復習したい方はこちらから↓

では、今回の問題の構造物①、②の変形後を確認してみましょう。
①の変形後は下図のようになります。

構造物②の変形後は下図のようになります。

変形の間違い例

ここで変形の間違った例を見てみましょう。
今回の場合、真ん中の支点における変形が間違っています

ピン支点では部材が連続しているので下図のような変形にはなりません。
ピン支点では部材がパキっと曲がることはありません
正しい変形を覚えてくださいね。

②の構造物も同じように、間違った変形が下図のような形です。

③座屈長さをまず求める ④座屈荷重公式に座屈長さを代入する

では最後に座屈長さを求めて、座屈荷重の公式に代入していきます。
座屈長さは正しく変形がイメージできていればあとは見た目で考えることができます。
座屈長さを求めることができれば、あとは座屈荷重を求める公式に座屈長さを代入すれば求めることができます。
座屈荷重を求める公式は下図の通りです。

ではまず、①の構造物の座屈長さと座屈荷重を求めると下図のようになります。

次に②の構造物の座屈長さと座屈荷重についてです。

いかがでしたか、座屈荷重を正しく解くカギは変形後を正しくイメージして、座屈長さを求めることです。
練習問題をたくさん解いて問題になれていきましょう!!

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