【構造力学Ⅰ】片持ち梁の反力計算 等分布荷重ver
今回から様々な構造物の反力の求め方について学んでいきましょう。
反力計算はこれからの構造力学における計算の仮定となっていくものです。
しっかりと理解していきましょう。
今回の構造物は『片持ち梁の反力計算 等分布荷重ver』です。
片持ち梁:等分布荷重の反力計算
では、初めに反力計算の4ステップを振り返ってみましょう。
反力を求める4つのステップ
①力を仮定する
②力を整理する
③力のつり合い式(水平・鉛直・モーメント)を立式する
④つり合い式の解を求める
ではさっそく問題に取りかかっていきましょう。
今回の問題は下図のとおりです。
左側(点A)には支点がなく自由端、右側(点B)の支点は固定端となっています。

ここで、w=4kN/mのとは、1メートルあたり4kNの荷重が作用する分布荷重であることを意味しています。
①力を仮定する
ではこの例題の反力を仮定してみましょう。
点Aは自由端なので特に反力の仮定はしません、B点の支点は固定端です。
固定端は水平方向と鉛直方向、回転方向に反力を仮定します。
つまりこのようになります。

これで反力の仮定は完了です。
支点の種類によって反力の仮定方法が変わってくるので注意しましょう。
つぎに力の整理を行っていきます。
②力を整理する
次に力の整理をしていきます。
今回の問題は等分布荷重の問題です。
等分布荷重の問題では分布荷重を集中荷重に直していきます。
今回の問題の等分布荷重はw=4kN/mです。
1メートルあたり4kN荷重が作用します。
今回の部材の長さは5mですので
4kN × 5m = 20kN の集中荷重に直すことができます。
そしてその集中荷重が作用する場所は部材の真ん中になります。

③力のつり合い式(水平、鉛直、モーメント)を立式する
さぁ、ここまでくれば残るは計算問題です。
ここでは力のつり合い式を立式していきます。
ここでは未知数(解が求まっていない文字)がH_A、V_A、V_Bの3つありますね。
よって3つの式を立式しなければなりません。
未知数の数と同じだけの式が必要となります。
基本的に水平方向の式、鉛直方向の式、回転方向の式を立式していきます。
水方向のつり合い式
H_A = 0
鉛直方向のつり合い式
V_B – 20kN = 0
回転方向のつり合い式(点Bから考える)
M_B – 20kN × 2.5m = 0
後は今立式したものを解いていくだけです!!
④つり合い式の解を求める
残るは③で立式した力のつり合い式を解いていくだけです。
計算ミスや単位ミスに気を付けましょう。
水平方向のつり合い式
H_A = 0
鉛直方向のつり合い式
V_B – 20kN = 0
V_B = 20kN
回転方向のつり合い式(点Bで考える)
M_B – 20kN × 2.5m = 0
M_B = 50kNm
最後に求めた反力を図に書いてみましょう。

まとめ
今回は『片持ち梁の反力計算 等分布荷重ver』について学んできました。
等分布荷重は集中荷重やモーメント荷重と異なり、力の整理で少々手間がかかります。
片持ち梁はこれから学んでいく構造物の基本となっていくものです。
ポイント
等分布荷重は
集中荷重に直してから解く!!!
今回の記事で基本的な反力計算の方法の流れについて理解していただけたら嬉しいです。