【構造力学Ⅰ】安定構造物と不安定構造物 ~静定構造物と不静定構造物まで解説~
今回は安定構造物と不安定億造物について取り扱っていきます。
安定構造物と不安定構造物とは
安定構造物、不安定構造物と聞きてどのようなものをイメージしますか?
今回解説する内容はおそらく皆さんがイメージしているもののとそれほど違うことはないと思います。
しかし今回はしっかり構造力学の観点で見ていきます。
さっそく安定構造物と不安定構造物をイメージしていただくために下図をご覧ください。

左側の安定構造物は、矢印のように塚らを加えても
安定構造物…外力によって直ちに崩壊することなく、また変形しても外力が無くなると元も形に戻る安定した構造物。
不安定構造物…外力が加わるとすぐ崩壊したり変形し、また外力が無くなっても元の状態に戻ることのない構造物。
どうでしょうか?
皆さんがもつイメージとさほどかけ離れているのでではないはずです。
上の二つの構造物のモデル化した状態も見てみましょう。

モデル化された図をみてそれが安定構造物か不安定構造物かを判断できるようにしましょう。
実は安定構造物はさらに2種類に分類することができます。
それは「静定構造物」と「不静定構造物」です。
こちらはあまり聞き馴染みがない言葉かもしれません。
静定構造物と不静定構造物
先ほど述べた通り、安定構造物はさらに「静定構造物」と「不静定構造物」に分けることができます。
不静定と聞くとなんとなく不安定なんじゃないかと直感的に思ってしまいますが安定構造物の一種ですので覚えておきましょう。
静定構造物…拘束を1つ減らすと不安定構造物になってしまう構造物。
不静定構造物…最も安定した構造物。世の中のほとんどの建物は不静定構造物。
ここで出てきた「拘束」とは支点などの変位を制御するもの。
具体的にはピンローラーをピンに、ピンを固定端にするほど拘束が大きくなるといいます。
不安定構造物が拘束が多くなるにつれ静定構造物になる様子を見てみましょう。

上の図のように拘束を増やしていくと不安定構造物→静定構造物→不静定構造物と変化していくんですね。
また2つの構造力学上の特徴としては
静定構造物…力のつり合い式のみで解くことができる。
不静定構造物…力のつり合い式だけでは解くことができず、変形条件も利用して解く。
最も安定している不静定構造物ですが計算問題を解くときには少し厄介です。
まとめ
今回は安定構造物と不安定構造物について学んできました。
最後にざっと復習していきましょう。

では皆さんこれからも勉強頑張っていきましょう!!